JCGR 日本コーポレートガバナンス研究所

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第3回ファイナンス勉強会「資本調達の原理-レバレッジ効果-」

株式会社は、株主が営利を目的として出資し設立するものである。株主の出資を自己資本あるいは株主資本という。株主は、金利を払うことにより借入や社債の発行などを利用することができる。これを負債あるいは他人資本という。
株主資本は、売上高から製品の生産・販売に関わるすべての費用を控除した残額を利益として受け取る。その意味で、株主利益は残余利益とも呼ばれる。残り物であるから、期が終わってはじめて確定するもので、あらかじめその額は決まっていない。従業員の賃金や取引先への支払や負債への金利はあらかじめ契約により確定されているが、株主の利益は結果次第であり、事業に伴うさまざまな変動要因の影響を受ける。その意味で、株主はビジネスリスクを負担すると性格づけられる。
企業が行う事業にはリスクをともなうが、総資本利益率(ROA)の平均的水準は一般に金利より高い。したがって、株主は負債利用により、総資産利益率と金利との差額から生ずる利鞘を享受することができる。しかし、事業にはリスクをともなうので、総資本利益率が金利を下回ることもありうる。その場合には利ざや稼ぎどころか、その差額の分だけ利益を減ずることになる。したがって、負債の利用は、株主資本利益率(ROE)を上昇させるが、同時に株主資本利益率の変動を大きくする。企業の負債利用は、ビジネスリスクを所与とすると、一般に株主資本利益率をハイリスク=ハイリターンにする。このことを(財務)レバレッジ効果という。
企業の費用は変動費と固定費とに分類できるが、両者にはトレードオフ関係があることが多い。その場合、変動費を抑えようとすると固定費の増大を招き、総資本利益率の変動つまりビジネスリスクを大きくする。これを営業レバレッジ効果という。財務レバレッジ効果と定営業レバレッジとは、固定費が重要な役割を果たしているので、ともにレバレッジ効果と呼ばれる。

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