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1.株主の所有:株式会社の所有者は株式を保有する株主である。
2.株主の目的:株主が株式を保有する目的は、株式の財産価値を増殖することである。これを株主価値最大化という。
3.所有と経営の分離:株主は株式会社の所有者であるが、株主は会社の運営にはタッチせず、株主総会で選任された取締役で構成される取締役会にすべての運営を委ねる。
4.株式会社のステークホルダー:株式会社を支えているのは、株主・投資家、経営者、従業員、顧客、取引先(サプライヤー)、金融機関、地域社会、行政機関そして社会一般などのいわゆるステークホルダーである。
5.コーポレートガバナンス:企業が、健全に社会的使命を果たすためには、株主をはじめとする多様な関係者(ステークホルダー)を確保することが不可欠である。会社が、株主の目的を達成するため、各ステークホルダーに関して、それぞれに応じた対話および情報開示により公正かつ透明な経営を行うことにより、各ステークホルダーからの信頼を確保する仕組みをコーポレートガバナンスという。コーポレートガバナンスの基本方針および執行については取締役会が決定する。
5-1.サステナビリティおよびESG:取締役会は、社会からの強い要請であるサステナビリティおよびESGに関して企業の基本姿勢を定める。
5-2.株主アクティビズム:取締役会は、株主アクティビストなどからの働きかけに対して企業がどう対応するかエンゲージメントの基本方針を定める。
6.ボードガバナンス:取締役会(ボード)の使命は、コーポレートガバナンスを実践しつつ、会社が事業の遂行を通して株主価値最大化を実現することである。そのために、取締役会はCEOを始めとする経営陣を選任し、取締役会の意思決定の執行を委ねる。ボードガバナンスとは、取締役会の意思決定の質を高めるとともに、取締役会による経営執行の監督の実効性を高めるための仕組みであり、コーポレートガバナンスの一部でもある。なお以下、その仕組みを列挙する。
6-1.取締役会の基本的な使命:株主からの負託を受け、企業価値を最大化することである。これを実現するために、取締役会の使命、機能、構成等を定めた取締役会規則を作成し、それに基づき毎年度取締役会の行動計画を策定する。
6-2.意思決定と執行の分離:取締役会は事業の基本的な方向と経営戦略を決定し、その執行は取締役会が選任するCEO(最高経営責任者)以下の経営陣に委ねる。6-3.取締役会の監督:取締役会は経営陣の経営執行を監督する。
6-4.独立取締役:経営陣から独立した客観的な立場で、会社の経営を監督する取締役を独立取締役と呼ぶ。
6-5.取締役会の構成:経営監督の実効性を確保するために取締役の過半数を独立取締役とするとともに、取締役会は、その意思決定の質を高め、監督機能の実効性を確保するために、多様な視点や価値観、専門性を有する人材で構成されることを基本方針とする(取締役会の多様性)。それを実現するために「スキル・マトリックス」の考え方が重要である。
6-6.取締役会会長:取締役会は取締役会会長(Chairman)を選定する。以下、単に会長と呼ぶ。
6-7.会長の役割と目的:取締役会全体の有効性を高めるために、取締役会の基本方針の策定を指導するなど、「コーポレートガバナンスのリーダー」と位置づけられる。その目的は、経営の健全性を確保し、企業の長期的価値を向上させることである。
6-8.会長の役割(1):取締役会の議題設定と会議の運営を行う。すなわち、戦略的な議題の策定、建設的な議題と促進、および効率的な会議運営等が重視される。
6-9.会長の役割(2):取締役会とCEOを筆頭とする経営陣の架け橋となり、取締役会と経営陣の円滑な情報連携および取締役会の意思の経営陣への伝達の任を負う。
6-9.会長の役割(3):CEOのメンター(mentor;指導者、助言者)および監督者として、CEOの良き相談相手となるとともに、独立取締役として取締役会を主導し、CEOの業績評価を客観的かつ公正に行う。
6-10.会長の役割(4):会長自身が、リーダーシップを発揮し、高い倫理観と誠実さの模範となり、取締役会全体の文化を醸成する。
6-11.会長の役割(5):定期的に取締役会自体の実効性を自己評価し、改善点を見つけて実行するプロセスを主導する。
6-12.筆頭独立取締役:CEOが会長を兼任する場合には、取締役会は筆頭独立取締役(LID;Lead Independent Director)を選定し、会長の役割(2)-(5)を委ねる。
6-13.取締役会の自己評価:取締役会は、毎年度、行動計画等に基づき自己評価を行う。
6-14.取締役会の役割(1):経営の基本方針および戦略の決定:会社の進むべき大きな方向性を示した上で、経営陣が立てた戦略を承認し、その執行を経営陣に委ねる。
6-15.取締役会の役割(2):取締役会は、取締役会委員会を通して、経営陣の経営執行を監督する。
6-16.取締役会の役割(3):取締役会は、CEOはじめ経営陣の後継者計画を監視する。
6-17.取締役会の役割(4):会社全体の観点から、会社を取り巻くリスクを把握し、その管理体制を監督する(リスク管理)。
6-18.取締役会委員会:取締役会は、監督機能を実効的に果たすため、独立取締役によって構成される指名委員会、報酬委員会および監査委員会の3委員会を設置する。それぞれが、会長の監督の下、専門領域を担当し、経営の客観性と透明性を高める役割を担う。なお、以下に述べるこれらの委員会の機能を持つ委員会が設置されれば、委員会の名称および数はこれに限らない。会長は委員会メンバーではないが、すべての委員会に出席し意見を陳べることができる。
6-19.取締役会委員会の規則:各委員会は取締役会と整合的な委員会規則を定める。かつ、各年度始めに委員会活動計画を定める。
6-20.取締役会委員会の自己評価:各委員会は年度末に、活動計画をベースに自己評価を行い、その結果を取締役会に報告する。
6-21.指名委員会の役割(1):株主総会に提案する取締役候補者を指名し取締役会に推薦するとともに、取締役会委員会の改廃・構成を検討し取締役会に提案する。
6-22.指名委員会の役割(2):CEOを始めとする経営陣の後継者計画(サクセッションプラニング)を監督し、その進行を評価し、随時、取締役会に報告する。
6-23.指名委員会の役割(3):取締役会全体のスキルや経験のバランス(スキル・マトリックス)を考慮し、取締役候補者を取締役会に推薦する。
6-24.報酬委員会の役割(1):取締役や執行役の報酬に関する方針(理念)を策定する。
6-25.報酬委員会の役割(2):経営陣が自らの報酬を不当に高く設定することを防ぎ、その報酬が会社の業績や企業価値向上と連動するように報酬制度を監視する。
6-26.報酬委員会の役割(3):個々の役員の業績を評価し、それに基づいた具体的な報酬額(金銭、株式報酬など)を取締役会に提案する。
6-27.報酬委員会の役割(4):報酬の水準や体系が、業績向上へのインセンティブとして適切に機能しているかを検証する。
6-28.監査委員会の役割(1):会計監査人(監査法人)の選任・解任や監査報酬を決定し、その独立性と監査の質を評価する。
6-29.監査委員会の役割(2):内部監査人の独立性を評価する。
6-30.監査委員会の役割(3):会社の財務報告(決算書など)の妥当性をチェックする。
6-31.監査委員会の役割(4):監査委員会の役割(3):内部統制システムの構築・運用状況を監視し、内部監査部門と連携する。
2025/08/15 Ver.3.
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