Q:日本の株式会社においては、内部監査とはどのような職能であると考えられていますか?
A(Chat GPT):日本の株式会社における内部監査は、現在では、「会社の業務執行から一定の独立性をもって、業務・リスク管理・内部統制等を検証し、その結果を経営陣および取締役会・監査役等に提供する社内の独立的なアシュアランス職能」と考えるのが適切です。
ただし、日本ではこの理解に至るまでにかなり変化がありました。
1.法律上は「法定監査」ではない
まず日本では、監査役・監査等委員・監査委員による監査と、内部監査とは制度上まったく異なります。
監査役等は会社法上の機関ですが、内部監査部門は会社法上の機関ではありません。したがって、内部監査室、監査部、業務監査部などの名称、組織上の位置、権限、監査方法は、基本的には各社が定めます。この点で、内部監査は「任意監査」と位置づけられています。
2.伝統的には「経営者のためのチェック機能」
日本企業では長い間、内部監査は、
社長・経営陣が、各部門や子会社が会社の規程どおり仕事をしているかを確認するための内部管理機能
という性格が強くありました。
したがって、典型的には、
「規程違反はないか」「決裁権限は守られているか」「経費処理は正しいか」「子会社が本社のルールを守っているか」
といった事務不備・規程遵守のチェックが中心でした。
日本内部監査協会の内部監査基準も、内部監査を、経営目標の効果的達成に役立つことを目的として、独立した立場から経営諸活動を検討・評価し、意見、助言、勧告を行う職能としています。さらに、リスク管理、コントロール、ガバナンス・プロセスの有効性を評価することを重視しています。
3.現在は「第三ライン」としてのアシュアランス職能へ
ここが近年の大きな変化です。
現在の考え方では、
第1ライン=営業・製造など業務執行部門
第2ライン=リスク管理・コンプライアンス・法務など管理部門
第3ライン=内部監査
と整理されます。
内部監査は、第1ラインだけでなく、第2ラインがきちんと機能しているかも独立して評価する職能です。日本内部監査協会も2026年の上場会社向け資料で、内部監査について「業務執行部門・管理部門の業務の適切性」を独立・客観的な立場から保証・助言する役割として説明しています。
したがって、現在の内部監査人の問いは単なる、
「ルールを守っていますか」
から、
「会社の重要なリスクは何か。そのリスクを管理する仕組みは適切か。そして実際に機能しているか」
へと変わっています。
4.さらに「経営のため」から「取締役会のため」へ
私はここが、米国との比較で最も重要な変化だと思います。
従来の日本型内部監査では、
内部監査部 → 社長
という報告ラインが一般的でした。
しかし現在のコーポレートガバナンス・コードは、内部監査部門が取締役会および監査役会等にも直接報告する仕組み、いわゆるデュアル・レポーティング・ラインを求めています。JPXは、内部監査部門を取締役会・監査役会の機能発揮に活用し、直接報告の仕組みを構築することを補充原則4-13③で示しています。
これは非常に重要です。
社長直属だけなら、内部監査はどうしても
「社長が部下をチェックするための機能」
になりやすい。
一方、取締役会・監査役等にも直接報告するなら、
「業務執行全体について客観的な情報を取締役会に提供するガバナンス機能」
という性格が強くなります。
5.日本でも「事務監査」から「経営監査」へ
金融庁はこの変化を非常に明瞭に示しています。金融機関についてではありますが、内部監査の成熟度を、
事務不備監査 → リスクベース監査 → 経営監査 → 信頼されるアドバイザー
という段階で説明してきました。
つまり、
「伝票が間違っている」
↓
「重要なリスクに統制が効いているか」
↓
「会社のガバナンスやリスク管理そのものが適切か」
↓
「将来のリスクまで考えて経営・取締役会に洞察を提供する」
という高度化です。(Chat GPT)
日本の内部監査職能は、私は次のように整理するのが分かりやすいと思います。
日本の内部監査は、従来の「社長のための社内チェック機能」から、業務執行・リスク管理・内部統制を独立・客観的に評価し、経営陣と取締役会にアシュアランスを提供する「ガバナンスを支える第三ライン」へと変化している。(若杉敬明 2026/10/3)

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